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後偈

提供: 新纂浄土宗大辞典

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ごげ/後偈

六時礼讃の各時礼讃偈の最後に唱える偈文。『往生礼讃』の日没礼讃末尾に説かれる懺悔回向発願・恭敬などの偈の総称。まず「普為師僧父母ふいしそうぶも」(浄全四・三五九上)以下は、曇鸞讃阿弥陀仏偈』(浄全一・二一一上)を典拠とし、礼讃の総結として往生を願い阿弥陀仏帰命し、後に改めて懺悔することを表明する。続いて「至心懺悔」(浄全四・三五九下)以下では、初二句で懺悔、次二句で回向、後六句で発願という五悔のうちの三種の懺悔法を用いた要懺により阿弥陀仏へと帰命する。さらに「礼懺功徳らいさんしょくどく」(浄全四・三五九下)以下では、礼拝懺悔功徳を振り向けて、往生して覚りの境地を得られるよう重ねて発願する。同様の偈が『宝性論』一(正蔵三一・八二〇下)にもあり、「往生安楽国」(浄全四・三五九下)を挿入することで、より浄土往生発願を強調している。そして礼拝懺悔を終えるにあたり、「礼懺已一切恭敬らいさんにいっさいくぎょう 願諸衆生がんしょしゅじょう」(浄全四・三五九下)以下の句は『国清百録』一「普礼法」(正蔵四六・七九五中)を参考にしたものと考えられ、仏法僧三宝帰依して、諸々の衆生と共に浄土往生を願うと結んでいる。なお中夜礼讃では、「至心懺悔」(浄全四・三六四下)以下、至心勧請至心随喜至心回向至心発願五悔を用いる。


【資料】良忠『往生礼讃私記』


【参照項目】➡往生礼讃六時礼讃五悔


【執筆者:石上壽應】