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密意

提供: 新纂浄土宗大辞典

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みっち/密意

仏の隠された意図、衆生の理解がおよばない仏の真意をいう。Ⓢsaṃdhi。こうした密意はそのまま説いても衆生には理解できないため、その真意を隠して仮に方便の教えが説かれることがある。智顗『法華文句もんぐ』には「仏の密意菩薩の所知に非ず」(正蔵三四・一一六下)と示され、また『成唯識論』には「如来の実心は等覚菩薩すら、尚知らざるが故に」(正蔵三一・五八中)とあり、仏の密意菩薩でさえも知るに及ばないものであるとされている。法然が『選択集』三において、阿弥陀仏が一切の諸行を選捨し、念仏一行を往生本願としたことについて問いを立て、「聖意しょうい測り難し」(聖典三・一一八)と答える「聖意」もこの類である。


【参照項目】➡聖意


【執筆者:沼倉雄人】