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「実体化用」の版間の差分

提供: 新纂浄土宗大辞典

 
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2018年3月30日 (金) 06:26時点における最新版

じったいけゆう/実体化用

実体とは阿弥陀仏の本体、化用とはその作用をいい、他力本願阿弥陀仏)の実体を真如の理とし、その化用を本来己心こしんに存する阿弥陀仏善巧方便ぜんぎょうほうべんによって有相荘厳を現ずるものとする語。『三六さぶろく通裏書』や『大原談義聞書ききがき鈔』にみえる語であるが、その典拠は『大原談義聞書鈔』の第三問答に記されている。そこでは、浄土門には「他力本願の実体」と「他力本願の化用」の二義があると述べられている。他力本願の実体とは、仏の密意みっちであり仏智の所照であって、聖道浄土の二門は共に真如実相を体とする。他力本願の化用とは、密意上の教門であり四智の所成とする。そして、阿弥陀仏は己心にあって、一座華台の形(有相荘厳)を現すのだといい、不可思議智、不可称智等によって、この有相荘厳方便がなされるとしている。この論は、真如より阿弥陀仏有相荘厳救済作用が出現することを表すものであり、阿弥陀仏の根源に真如法身を想定し、その展開を説明するものであって法然の教えとは異なっている。


【資料】『大原談義聞書鈔』


【参考】戸松啓真「三部経の註釈および大原談義に関する著作」(『浄土宗典籍研究』山喜房仏書林、一九七五)、曽根宣雄「実体化用論について—『大原問答聞書鈔』を中心に—」(『仏教論叢』五二、二〇〇八)


【参照項目】➡大原談義聞書鈔


【執筆者:曽根宣雄】