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宗名

提供: 新纂浄土宗大辞典

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しゅうみょう/宗名

宗派の名のこと。この場合の宗は、教義行業を同じくする集団のことを言う。法然浄土宗を立てたことについて、「宗を立つる事は更に仏説にはあらず、自ら学ぶ所の教論に付きて、其の義を覚り極むるなり。諸宗の習い、皆もって此の如し。今、浄土宗を立つることは、浄土の正依の経に付きて、往生極楽の義を解り得たる先達の、宗の名を立てたまえるなり」(「禅勝房に示されける御詞 其四」昭法全六九七)と述べている。すなわち、法然は、宗派を開くということは、その宗派の祖師の学んできた経論の理解の結果である。今ここに、自らの宗派の名を浄土宗とし、開宗したのは、浄土教経典をもとにして、往生極楽の教えを体得された祖師方が、浄土宗という名を掲げてきたと理解したからとするのである。このように法然は、凡夫称名念仏によって極楽浄土往生するという教義を意味する「浄土宗」を宗名とした。浄土宗の異名には、善導宗(『徹選択集』下、『授手印』)、念仏宗(『翼賛』四三)、本願宗(『西宗要』二)、浄土真宗一向専修宗、蓮宗などがあり、江戸時代には親鸞の末流と宗名争いをしている。宗名の立て方については、経典名(華厳宗など)・論名(俱舎宗など)・開祖名(日蓮宗)などをもとにする場合がある。


【参照項目】➡立教開宗開宗の文


【執筆者:東海林良昌】