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勧化

提供: 新纂浄土宗大辞典

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かんげ/勧化

「かんけ」とも。仏の教えを説き、導いて帰依させること。また、その教え。『和語灯録』序に「なかごろ黒谷上人法然)、勢至菩薩化身として、始めて弥陀の願意を明らめ、専ら称名の行を勧めたまいしかば、勧化一天に遍く、利生万人に及ぶ」(聖典四・二八二/正蔵八三・一七一中)とある。寺社が一般から寄付を求めること、また江戸時代、寺社の修復・造営のため幕府の許可を受けて行われた募金活動のこと。寄進などを受けたしるしにお札などを渡す所を勧化所といった。後者の募金活動は、幕府財政の窮乏により、公儀による寺社の修復が困難となり採用された政策で、勧募の趣意を記した寄付帳を勧化帳、寺社奉行からの免許状を勧化状といった。貞享・元禄年間(一六八四—一七〇四)の東大寺大仏および大仏殿再興の過程で確立し、享保七年(一七二二)の熊野三山権現社の諸国勧化から本格的に採用された。幕令による「御免勧化」では、村々は伝馬・人足を無料で提供するとともに、割り当ての金額を負担しなければならなかった。


【執筆者:今堀太逸】