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円常寺

提供: 新纂浄土宗大辞典

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えんじょうじ/円常寺

滋賀県彦根市城町。智照山通信院。滋賀教区№四。この地は江戸時代、円常寺町と呼ばれ一〇〇石から三〇〇石の武家屋敷が集まっていた。開基は、彦根藩二代藩主井伊直孝で、慶長一六年(一六一一、一説には同一七年)に生母養賢院の位牌所として建立。開山は薫誉路寛で、小田原の北条直子の末裔に当たる。当寺は有力藩士の菩提寺で、江戸時代には触頭ふれがしら寺院であった。元禄一四年(一七〇一)と寛保三年(一七四三)の二度の火災により、諸堂、古器仏、記録文書等の大半が焼失したが、井伊家の寄進により復興された。本尊阿弥陀如来像(県文化財)は、快慶の作。


【資料】『蓮門精舎旧詞』二四(続浄一八)、『浄土宗寺院由緒書』下(『増上寺史料集』七)、『滋賀県市町村沿革史』三(弘文堂書店、一九八八)、『近江輿地志略』七六(同、一九七六)


【参考】『智照山円常寺境内之全図』(北条弁冏、一九〇五)


【執筆者:井野周隆】