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五上・五下

提供: 新纂浄土宗大辞典

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ごじょう・ごげ/五上・五下

五上分結五下分結のこと。五上分結とは五順上分結ともいわれ、色貪・無色貪・掉挙じょうこ・慢・無明の五つの煩悩五下分結は五順下分結ともいわれ、有身見・戒禁取かいごんじゅ・疑・欲貪・瞋恚の五つの煩悩五上分結衆生色界無色界に結びつける煩悩であり、五下分結欲界に結びつける煩悩である。五上分結を断つと阿羅漢果を、五下分結を断つと不還ふげんかを得ることができるとされる。この二語は『安楽集』にあり、そこでは「もし小乗を論ぜば見諦修道に修入し、乃至那含羅漢に、五下を断じ五上を除くこと、道俗を問うこと無く、未だその分有らず」(浄全一・六九三上正蔵四七・一三下)と述べている。また法然は『選択集』一で『安楽集』を引用するが、この一節はそこに含まれている。良忠は『決疑鈔』下において『安楽集』のこの一文について五下が五下分結、五上が五上分結を意味すると釈している。


【資料】『俱舎論』二一、『大乗義章』五


【参照項目】➡五下分結五上分結


【執筆者:石田一裕】