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三重玄義

提供: 新纂浄土宗大辞典

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さんじゅうげんぎ/三重玄義

聖冏による善導観経疏』玄義分についての解釈善導は『観経疏』玄義分について七門を立てているが、聖冏は『教相十八通』下において、このほかにも二門・十二門の解釈が可能であるとし、それらを併せて二門・七門・十二門の三重の解釈を立て三重玄義とした。善導観経疏』玄義分では、第一門・序題、第二門・釈名、第三門・文によって義を釈し、宗旨の不同、教の大小を述べる、第四門・説人の差別、第五門・定散料簡、第六門・経論相違の和会(①諸師の九品説、②諸師説の論破、③再度九品説の論破、④凡夫のための教えであって、聖人のためではないこと、⑤諸師の別時意説の会通、⑥諸師二乗種不生説の会通)、第七門・韋提得益の七門を挙げる。これに対し聖冏は、三重玄義を説く。まず、二門玄義とは、第一・二門を指す。これらは『観経』の内容に触れずに義を述べていることから、二門玄義と呼ぶとする。次に七門玄義とは、善導が立てた七門のことである。そして、十二門玄義とは、善導の立てた七門のうち、第六門の六つの子段(①から⑥)を玄義に数え、十二玄義とするのである。聖冏は、三重玄義を立てることによって、『観経疏』玄義分の重層的な理解を目指している。


【執筆者:東海林良昌】