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「三種発心」の版間の差分

提供: 新纂浄土宗大辞典

 
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2018年3月30日 (金) 06:24時点における最新版

さんしゅほっしん/三種発心

三種類の発心、すなわち信成就発心解行発心・証発心の三種のこと。この三種発心阿弥陀仏の因位(法蔵菩薩として修行中)の発心解釈にも用いられる。『起信論』によると信成就発心とは、業の果報あるいは大悲を信じることによる発心であり、また護法の因縁による発心である。解行発心とは真如の法の中において深解が現前し、法性の体を知り、それに随順して六波羅蜜修行することである。証発心とは真如を証し、衆生利益することである。また元暁起信論疏』によれば、信成就発心信心が成就して決定心が起こること、解行発心六波羅蜜修行が熟して回向心が起こること、証発心法身を証得して真心が起こることである。これら三種の発心は、菩薩の階位と対応して理解され信成就発心が十信・十住、解行発心が十行・十回向、証発心が初地以上とされる。良忠は『東宗要』一において、義寂の説を用いて法蔵の発心をこの三種に分類するが、これは『悲華経』と『無量寿経』との二経典に説かれる説を合わせた上で、前者を初住の発心、後者を地上の発心と理解したものである。


【参照項目】➡地上発心法蔵発心


【執筆者:長尾隆寛】