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「三巻七書」の版間の差分

提供: 新纂浄土宗大辞典

 
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2018年3月30日 (金) 06:24時点における最新版

さんがんしちしょ/三巻七書

浄土宗伝書である三部三巻とその末書五部七巻の併称。三巻とは、伝法然撰『往生記』一巻、聖光授手印』一巻、良忠領解抄』一巻を指し、七書とは、聖冏投機抄』一巻、同『伝心抄』一巻、同『徹心抄』一巻、良忠疑問抄』二巻、聖冏銘心抄』二巻を指す。聖冏はこれら三巻七書をもって伝書として五重相伝の規式を制定し、さらにその内容付けを行っている。すなわち初重を『往生記』、二重を『授手印』、三重を『領解抄』、四重を『疑問抄』にそれぞれ配当し、各書に対する聖冏の著作もそれぞれの注釈書なのでまた配当される(第五重は曇鸞往生論註』「口授心伝」)。これら三巻七書伝書であるため、伝授者が口決の奥旨を筆録して後継者に伝授すべきものであるが、後世になると多数の受者に授けるようになり、伝書すべてを筆写授与することが不可能となった。そのため七巻書は一七世紀半ば頃から、三巻書は明治一六年(一八八三)から印刷刊行されるようになった。三巻七書をまとめて印刷刊行したものとしては、異本の校異を行った林彦明昭和新訂三巻七書』(林勧学古稀記念会、一九三八)がある。またそれを底本として『聖典』五に原文と書き下し、および各書の解題が所収されている。


【参照項目】➡昭和新訂三巻七書伝書


【執筆者:沼倉雄人】