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一品経

提供: 新纂浄土宗大辞典

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いっぽんぎょう/一品経

多くの人が経典の一品(一章または一篇の意)ずつを分担して書写すること。特に『法華経』の一部八巻を二八品に分け、その開結経である『無量義経』(開経)と『観普賢経』(結経)とを合わせて三〇巻とし書写供養する。開結経供養によって組み合わせが変わり、『阿弥陀経』『般若心経』『仏説転女成仏経』なども書写される。この供養法華経信仰浄土教末法思想のもとに、各巻ごとに仏の加護を得たいという宮廷貴族の真摯な気持ちを反映したものである。一品経のほとんどは装飾経であり、「竹生島ちくぶしま経」「久能寺経」「平家納経」などが代表的な遺品である。


【参考】小松茂美『平家納経の研究』研究編上(講談社、一九八一)、頼富本宏・赤尾栄慶『写経の鑑賞基礎知識』(至文堂、一九九四)


【参照項目】➡納経


【執筆者:馬場久幸】