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滅罪往生

提供: 新纂浄土宗大辞典

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めつざいおうじょう/滅罪往生

罪を除滅した後に往生すること。凡夫は自ら罪を滅することはできないが、念仏功徳阿弥陀仏光明に照らされることによって、往生の障りとなる罪を滅し、往生を得ることができる、とするもの。聖冏は『浄土述聞口決鈔』上において「問う、たとい当果(往生のこと)を礙うるの罪障を尽くさずと雖も、なお往生を得るの義、若しこれ有るべきや。答う、しからず。当果を礙うるの罪業を尽くさずして往生を得といわば、このことわり有ること無し。然ればすなわち三経一論説相五部九巻の判釈、盛に罪障消滅の徳を挙げて、悉く往生浄土の行を勧む。これによって煩悩未断の凡夫浄土に生まるるの説教ありと雖も、未だ罪障未尽の衆生浄土に生まるるの経釈をば見ず。何に況や当流相伝の諸鈔の中に滅罪往生の文、これ多し」(浄全一一・五九六下)として、「浄土三部経」や善導五部九巻など、すべて滅罪の後の往生を説いている、と述べている。


【参照項目】➡滅罪


【執筆者:曽和義宏】