二序七縁
提供: 新纂浄土宗大辞典
にじょしちえん/二序七縁
善導『観経疏』序分義における科文のこと。善導は『観経疏』において『観経』の序分(「如是我聞」から「極楽世界」〔聖典一・二八七~九二/浄全一・三七~九〕まで)を、まず証信序と発起序に大別する。さらに発起序は、①化前序②禁父縁③禁母縁④厭苦縁⑤欣浄縁⑥散善顕行縁⑦定善示観縁の七に分類される。これを総じて二序七縁とよぶ。すなわち二序とは証信序と発起序を意味し、七縁とは①化前序から⑦定善示観縁の七つを意味する。また①化前序を序の一つとみなして三序とし、②禁父縁から⑦定善示観縁を六縁として、『観経疏』序分義における科文を三序六縁と称する場合もある。二序七縁と三序六縁の相違が起こるのは善導自身が『観経疏』序分義において、はじめに「また前の序の中に就いて、また分って二とす」(聖典二・一九一/浄全二・一三下)と述べ、終わりに「初めには証信序を明し、次に化前序を明し、後に発起序を明す。上来三序の不同有りといえども、総じて序分を明し竟んぬ」(同二三七~八/同三四上)と述べていることに起因している。良忠などはこの違いを開合の異であるとし、本質的な相違ではないと理解している。
【資料】『伝通記』序分義記
【参照項目】➡観無量寿経疏
【執筆者:石田一裕】