「三部経大意」の版間の差分
提供: 新纂浄土宗大辞典
(相違点なし)
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2018年3月30日 (金) 06:24時点における版
さんぶきょうたいい/三部経大意
一巻。『浄土三部経大意』『三部経釈』とも。ただし、東大寺講説の漢語『三部経釈』とは異なる。元亨版『和語灯録』には法然の撰と記載があるが、偽撰の可能性も高く、改竄されたと考えられる箇所などもあり注意が必要。成立については東大寺講説以前説から『選択集』以後説まで、諸説ある。現存する写本刊本には、金沢文庫蔵建長六年(一二五四)写本、高田専修寺蔵正嘉二年(一二五八)写本、龍谷大学蔵元亨元年(一三二一)円智開版本、寛永二〇年(一六四三)開版本、正徳元年(一七一一)義山開版本がある。本書は「浄土三部経」に説かれる浄土往生に関する要文、例えば四十八願建立と第十八願、定散二善と念仏付属、阿弥陀の三字に一切の功徳を具し天台・真言・三論の要諦を含むこと、一七日の称名と六方諸仏の証誠などを解説したもの。
【所収】昭法全
【参考】坪井俊映「『浄土三部経大意』の撰述者に関する諸問題—特に五種類の写刊本を比較して—」(『仏教文化研究所年報』三、一九八五)
【執筆者:髙橋寿光】