「三部仮名鈔」の版間の差分
提供: 新纂浄土宗大辞典
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さんぶかなしょう/三部仮名鈔
七巻。『帰命本願鈔』三巻、『西要鈔』二巻、『父子相迎』二巻の総称。『瑞夢鈔』『松葉鈔』ともいう。証賢撰。著述年代は『三部仮名鈔諺註』に「此鈔縁起」として引用される『真如堂縁起』により、元亨年間(一三二一—一三二四)と推定される。法然滅後異説がおこり、いずれも法然の遺風と称し、その正邪を定めがたいため、一条派の祖然空の門弟である証賢が、念仏往生の正義を示そうとし、その要旨を平易な和文で説いたもの。文章が流麗なことで注目される著作である。刊本に隆尭開版応永二六年(一四一九)版、貞享四年(一六八七)版等がある。末書に湛澄の『三部仮名鈔諺註』一四巻、同『三部仮名鈔要解』七巻、賀茂真淵『三部仮名鈔言釈』七巻がある。
【所収】正蔵八三、『国文東方仏教叢書』(第一輯)三
【参照項目】➡帰命本願鈔、西要鈔、父子相迎二、三部仮名鈔諺註
【執筆者:工藤大樹】