阿弥陀聖衆来迎図
提供: 新纂浄土宗大辞典
あみだしょうじゅらいこうず/阿弥陀聖衆来迎図
阿弥陀仏が多くの聖衆(菩薩衆)を従えて来迎する姿を描いた図。高野山有志八幡講十八箇院蔵のものが知られる。本図は、平安時代末に描かれた日本の仏画史上屈指の傑作(国宝、平安時代)。三幅対の巨幅で、もともと比叡山の安楽谷に伝来したが、信長による焼き討ちの難を逃れて高野山に納められたという。画面中央には結跏趺坐する阿弥陀仏が正面を見据え、その周りを囲む菩薩には、横川常行堂の諸尊(観音・勢至・地蔵・龍樹)を比定する説がある。阿弥陀仏とともに二十五菩薩の来迎を描くものは特に阿弥陀二十五菩薩来迎図という。
【参考】安嶋紀昭「国宝阿弥陀聖衆来迎図について」(『国宝阿弥陀聖衆来迎図』高野山霊宝館、一九九七)、内田啓一監修『浄土の美術』(東京美術、二〇〇九)【図版】巻末付録
【参照項目】➡阿弥陀来迎図、阿弥陀二十五菩薩来迎図
【執筆者:若麻績敏隆】