阿卑羅吽欠
提供: 新纂浄土宗大辞典
あびらうんけん/阿卑羅吽欠
Ⓢa-vi-ra-hūṃ-khaṃに対応する悉曇文字の五字で、密教に説く胎蔵界における大日如来の真言のこと。現象世界が梵語(悉曇)文字の阿(a)・嚩(va)・羅(ra)・訶(ha)・佉(kha)によって象徴される地・水・火・風・空の五大をもって構成されていると直観した智慧が実際に展開していく側面を、阿(a)・卑(vi)・羅(ra)・吽(hūṃ)・欠(khaṃ)の各文字によって象徴させたという。一般には、あらゆることを成就させる呪文として知られている。
【参考】田久保周誉『真言陀羅尼蔵の解説』(真言宗豊山派宗務所、一九七九)
【参照項目】➡大日如来
【執筆者:袖山榮輝】