しょぎょうさんじんぐふしょうろんぎ/諸行三心具不生論義
一巻。良天聖観撰。名越派の相伝を記した書。最極秘書として尊重された。本願の行である念仏によって三心を具足して往生できるが、非本願である諸行では三心具足しても往生は難しいことを説く名越派諸師の論議を集めたもの。巻末に、この書は良忠とその門弟の尊観、明心、妙観、そして自身の註であることが記されており、聖観が弟子の良寂に与えたものである。
【所収】続浄一〇
【参考】玉山成元「名越派とその叢書 解説」(『浄土宗典籍研究』山喜房仏書林、一九七五)
【参照項目】➡心具不生義
【執筆者:田中芳道】