総本山知恩院の山号および背後の山の名。「華頂」は中国天台山の一峰の名。それになぞらえて、この山の北麓に天台宗寺門派園城寺(三井寺)の別院花頂院(『応仁記』によると応仁の乱で焼失)が建立されたことから華頂山と呼称された。『知恩院旧記採要録』や『翼賛』五二には、文暦元年(一二三四)源智の手で知恩院大谷寺が再興された際、四条天皇より総門に「華頂山」の勅額を賜り、その山号にしたと伝えられている。
【参考】勝野隆信「花頂門跡考」(『日本歴史』七五、一九五四)
【執筆者:齋藤蒙光】