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華厳念仏三昧論

提供: 新纂浄土宗大辞典

けごんねんぶつざんまいろん/華厳念仏三昧論

一巻。清・彭際清撰。乾隆四八年(一七八三)成立。彭際清四三歳の年に書かれたもので、中国清朝華厳浄土思想の代表的な書物。『華厳経』の思想に基づいて浄土教念仏三昧解釈している。まず念仏には二種あって、一つに普念(すべての仏を念じること)、二つに専念(一仏のみを念じること)であるという。これに対し彭は『華厳経』に基づき、一仏を専念することと多仏を念じることは無礙であると説く。すなわち華厳思想に基づき、阿弥陀仏一仏を念じることは「即自即他、亦専亦普」であるとする。そして次に五義を示して全経を貫く。すなわち第一念仏法身直指衆生自性門、第二念仏功徳出生諸仏報化門、第三念仏名字成就最勝方便門、第四念毘盧舎那仏頓入華厳法界門、第五念極楽世界阿弥陀仏円満普賢大願門であり、この五義は共通して、阿弥陀仏一仏を念じることは、諸仏を念じることになり、最高の行になることを華厳思想と関連させて述べようとしている。五義を述べた後、問答を設けて自問自答を行っている。


【所収】続蔵五八


【参考】中村薫『中国華厳浄土思想の研究』(法蔵館、二〇〇一)


【執筆者:肖越】