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臨終念相

提供: 新纂浄土宗大辞典

りんじゅうねんそう/臨終念相

臨終時に称える念仏のありさま。源信往生要集』第一〇問答料簡下において、「第五に臨終の念相を明かす」として、以下一三問答を配置し、臨終のときの念仏のありさまについて詳説している(浄全一五・一四二上~六下)。まず、臨終時の十念を、阿弥陀仏を余念なく憶念することであるとし、この六字の間を一念としている。また、臨終の一念は、一〇〇年の業にも勝るものであり、その力は強く、無量の罪をも滅することができることから、その重要性を説いている。また、良忠は『往生要集義記』八において、臨終念相に一三重あるとし、『弥勒所問経』に説く、「慈」などの十念の念相によるものではなく、『観経』下下品に説くように、罪業深重の凡夫が、最期臨終のとき、善知識に教えられて十声称仏の十念によって往生することを肝要とするものであって、「令声不絶具足十念南無阿弥陀仏」を重視するものであるとしている。


【参照項目】➡具足十念臨終十念


【執筆者:和田典善】