りんぴょういちどう／臨平一同

臨終と平生が同一であること。臨終と平生を同一とするのは諸行無常の道理において明白である。つまり、臨平一同は衆生の命の無常性において語る内容である。証空においては念仏往生の立場から、臨終と平生の念仏を同一と理解する。法然は『念仏往生要義抄』に、「平生の念仏臨終の念仏とて何の替り目かあらん。平生の念仏の死ぬれば臨終の念仏となり、臨終の念仏の延ぶれば平生の念仏となるなり」（聖典四・三二八／昭法全六八六）と述べている。証空はこの教旨を継承して『女院御書』上巻に、「仏体すなわち機をはなれざれば長時と別時と差別なし。長時別時一時なれば臨終平生また異ならず。平生には長時を別時にはげみ、臨終には別時も長時にきわむる。又いつを臨終とさだめ、いつまでか平生ならん。今生むなしく尽なん此時すなわち往生の時なり。余命しばらくもとどまらば何れの日か出離の日にあらざらん」（『西山上人短編鈔物集』二一六）と臨平一同について述べている。

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【執筆者：中西随功】