浄土略名目図
提供: 新纂浄土宗大辞典
じょうどりゃくみょうもくず/浄土略名目図
一巻。『略名目図』、『二蔵名目図』ともいう。聖冏が、全仏教の中における浄土宗義の地位を様々な図によって明らかにしようと著した書。「法然説・聖覚記・聖冏図」との撰号を持つが、法然の説法を聖覚が記したとされる『建暦法語』をもとに、聖冏が図説したとの意。その内容は二蔵二教の教判にしたがって、性頓教と相頓教とを明らかにして、浄土宗の教えは菩薩蔵頓教であり、頓中の頓であるとする。禅宗から寓宗であるとの批判を受けた当時の浄土宗側からの賢明な対応であり、末書が多いことはこの整然とした教判が浄土宗内で重要視されたことを示しており、江戸時代の檀林教学にも大きく影響を与えた。
【所収】浄全一二
【執筆者:東海林良昌】