未証浄心の菩薩
提供: 新纂浄土宗大辞典
みしょうじょうしんのぼさつ/未証浄心の菩薩
初地以上、第七地までの修行過程にある菩薩のこと。浄心菩薩・平等法身の菩薩の対。世親『往生論』の長行には「彼の仏を見たてまつれば、未証浄心の菩薩畢竟じて平等法身を証することを得て、浄心の菩薩と上地の諸菩薩と畢竟じて、同じく寂滅平等を得」(聖典一・三六七/浄全一・一九六)とあるように、未証浄心の菩薩は阿弥陀仏を見仏することにより、浄心の菩薩等と同様の寂滅平等を得ることができるとされる。曇鸞『往生論註』下は、この菩薩の階位を「初地已上七地已還の諸菩薩なり」(浄全一・二四八上)としている。
【資料】『往生論』『往生論註』下(共に浄全一)
【参考】石川琢道『曇鸞浄土教形成論—その思想的背景』(法蔵館、二〇〇九)
【執筆者:石川琢道】