操作

川施餓鬼

提供: 新纂浄土宗大辞典

かわせがき/川施餓鬼

川辺あるいは船上において修する施餓鬼会。その地の水難者の供養を本来の目的とし、付して有無両縁の亡者の供養のために行う。由来・縁起および儀式内容はその土地ごとに様々であるが、昨今では盆月の夕刻に灯籠流し経木流しなどを行い、「精霊送り」の意が大きい。船上での読経は鳴り物が多く用いられ、遊覧船が出るなど、多分に見物客を意識した行事になった。また、産死者や変死者への供養として、川端に塔婆を立てて水をかけたり、幡や塔婆を川に流したりする「流れ灌頂かんじょう」のことを川施餓鬼と呼ぶ場合もある。一例として東京深川では関東大震災と東京大空襲時に河川にて多数の死者が出たため、その慰霊を目的とし、毎年七月二五日に仏教会の法要灯籠流しが行われている。


【参照項目】➡流れ灌頂施餓鬼会


【執筆者:後藤真法】


川施餓鬼(東京・深川仏教会)