寺格等級
提供: 新纂浄土宗大辞典
じかくとうきゅう/寺格等級
寺院の格式のこと。寺院創立の由緒および構営の大小などによって、区別されている格式等級のことである。インドならびに中国においては詳らかではないが、早期において漸次寺院の建立が盛んになるに従って、大刹、小刹の別を生じていることがあった。日本においては、古くから官寺、私寺の別があり、のちに勅願寺や門跡などの階級を設ける。鎌倉時代には四大寺、七大寺、十大寺、十五大寺、二十五大寺に区分し、徳川時代に至り、本寺、末寺の制を明らかにし、檀林、由緒寺院の別をつけ、紫衣地、香衣地の格式を設けている。明治維新後は、諸制一変して、各宗派は自治によってその寺法を定め、寺格も各宗派によってその名称は異なっている。浄土宗においては総本山、大本山、門跡、大檀林、檀林、准檀林、独礼、別格、准別格、能分、准能分、平僧、等外の一三級として、檀林以下はさらに五五等分に細分されていた。現在は、総本山、大本山、一般寺院に大別される。また、一般寺院のうち、由緒沿革に基づき、本山、特別寺院と区別されている。
【参照項目】➡寺院
【執筆者:宇高良哲】