一巻。唐の法照が文殊菩薩の霊跡として知られる五台山において、自らが感得した霊異奇瑞を記したもの。とくに、末代の衆生が修する行として、法照が文殊菩薩より念仏を付属された記事は、日本においても注目された。円仁の将来目録『入唐新求聖経目録』や『長西録』にその名が見えるが、現存しない。
【参考】坂上雅翁「文殊菩薩と念仏—『大聖竹林寺記』を中心に—」(『浄土教の思想と歴史』山喜房仏書林、二〇〇五)
【参照項目】➡法照、竹林寺二
【執筆者:坂上雅翁】