ちゅうせいじょうどしゅうきょうだんしのけんきゅう/中世浄土宗教団史の研究
玉山成元著。昭和五五年(一九八〇)一一月、山喜房仏書林刊。法然入滅以降、全国的な教団組織が確立された近世に至る浄土宗の教団史的研究。法然門下の諸流の動向に始まり、良忠とその門下、白旗派の興隆と京都進出、存応を中心とした近世教団の確立過程などを、各寺院に所蔵される良質な古文書・古記録に基づきながら明らかにしている。統一教団の確立以前、各派が乱立しつつ発展を目指していた中世期の浄土宗の実態と、近世の統一教団への胎動を描いた、浄土宗史研究の金字塔である。
【執筆者:吉田淳雄】