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三教会同

提供: 新纂浄土宗大辞典

さんきょうかいどう/三教会同

明治四五年(一九一二)二月二五日に、内務省主催のもと、政府および仏教・教派神道キリスト教の三教が集まって開かれた会合。二日後には三教の代表者が集まって皇運と国民道徳の振興を図ることを決議し、さらに二日後には、学者、教育者、宗教家の会合がもたれた。右の三つを合わせて、広義の三教会同と呼ぶ場合もある。主催者である内務次官の床次とこなみ竹二郎は、従来の文部省による国民道徳普及に不満を抱き、資本家と労働者との対立を危惧して、宗教の役割を重視・活用する立場から、国民道徳の浸透を図ろうとした。こうした要請に応じて開かれたのが三教会同である。


【参考】千田栄美「三教会同と天皇制教育」(『日本教育史研究』二二、二〇〇三)、山口輝臣『明治国家と宗教』(東京大学出版会、一九九九)


【執筆者:小川原正道】