過去・現在・未来における順次の往生、すなわち三発願三往生をいう。『阿弥陀経』に、三世それぞれに発願した者は、各々に往生するとある。聖聡は『小経直談要註記』八において、この経説を一日ないし七日の念仏行(執持名号)と関連させ、願行具足の意で解釈している(浄全一三・四〇九上)。なお法然が『阿弥陀経釈』撰述の際に依拠した源信の『阿弥陀経略記』では、順次往生として捉えられておらず、現当二世利益との関わりの中で説示がなされている(正蔵五七・六八一中)。
【執筆者:加藤弘孝】