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万福寺

提供: 新纂浄土宗大辞典

まんぷくじ/万福寺

島根県出雲市東林木町。護国山。大寺薬師ともいう。出雲教区№一七。鰐淵寺開山として知られる智春によって推古天皇二年(五九四)に開創。後に行基が逗留して薬師如来像をはじめ多くの仏像を刻み安置したと伝えられる。その後荒廃していたが、永禄七年(一五六四)極楽寺心誉が鰐淵寺から譲り受け浄土宗に改め、再興したという。慶安三年(一六五〇)に大洪水により破壊され、後に再建される。その際、仏像も失われたが、現在は薬師如来脇士像三軀、観世音菩薩立像二軀、四天王立像四軀(いずれも木造、平安時代)が残存し、国重要文化財に指定されている。


【参照項目】➡鰐淵寺


【執筆者:齊藤舜健】


京都府宇治市五ヶ庄。黄檗山おうばくさん黄檗宗大本山。寛文元年(一六六一)、中国明末の高僧・隠元隆琦が、徳川家綱より寺領を下賜され開創した。明朝禅宗様式の伽藍建築をはじめ、渡来仏師范道生はんどうせいによる独特な顔貌の諸像など黄檗美術を代表する文化財は多岐にわたる。鉄眼道光が開版した鉄眼版一切経版木(国重要文化財/塔頭たっちゅう宝蔵院蔵)はとくに有名。精進料理の普茶料理も人気で、一〇月中旬に行われる「普度勝会(施餓鬼法要)」は中国色豊かな祭として知られる。


【参照項目】➡黄檗宗


【執筆者:太田亜希】