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高声念仏

提供: 新纂浄土宗大辞典

こうしょうねんぶつ/高声念仏

自分の耳に聞こえる程度の大きさの声を出して称える念仏のこと。心に念ずる念仏に対する。基撰とされる『阿弥陀経通賛疏』中では、「念仏に三あり。一には心念、心中に念をける。二には軽声念、自らの耳に聞く故に。三には高声念、十種の功徳有り」(浄全五・六〇三下)として、心念、軽声念、高声念の三種を出し、軽声念を耳に聞こえるほどの念仏としているが、法然は『十二問答』において、「耳に聞こゆる程は高声念仏に取るなり」(聖典四・四三五/昭法全六三五)と述べ、また『往生浄土用心』においても「さて我が耳に聞こゆるほど申しそうろうは高声の念仏の中にてそうろうなり。高声は大仏を拝み」(聖典四・五五一/昭法全五五九)と述べていることから、自分の耳に聞こえるほどの念仏高声念仏であるとしている。


【執筆者:曽和義宏】