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雲中供養菩薩

提供: 新纂浄土宗大辞典

うんちゅうくようぼさつ/雲中供養菩薩

雲に乗り飛翔する菩薩の総称。明治二九年(一八九六)古社寺保存法制定の際、平等院鳳凰堂内五一軀(現在五二軀)の国宝指定時にはじめて使用された。源師時みなもとのもろときの『長秋記ちょうしゅうき』には、「供養飛天」「供養菩薩」と記されている。いずれも定朝工房によるもので、檜製、割矧わりはぎ、当初は截金さいきん・彩色が施されていた。平等院では長押なげし上の小壁に懸けられ、菩薩形四七軀、僧形像五軀、舞い踊り、楽器を奏でたり、合掌、印を結ぶなど多様な作風である。下から見上げることを考慮して造像され、割り首法や構造など多彩な技法から仏師の層の厚さを知ることができる。


【執筆者:神居文彰】