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随流

提供: 新纂浄土宗大辞典

ずいる/随流

永禄元年(一五五八)—寛永一三年(一六三六)一〇月二〇日。肇蓮社源誉、あざなは一法。随龍とも表記。生実おゆみ大巌寺四世、結城弘経寺一〇世、鎌倉光明寺三二世。山城国乙訓郡山科の出身。関東に掛錫かしゃくし、増上寺では貞把大巌寺では虎角に師事。文禄元年(一五九二)上総国かずさのくに検見川(千葉市)に善勝寺を開創。慶長五年(一六〇〇)大巌寺住持となり、同一九年まで在任。この期間に生実版と呼ばれる木活字による浄土宗典籍を刊行。その後、結城弘経寺、鎌倉光明寺に転住。次いで越前国福井浄光院(運正寺)に住し、傍ら江戸赤坂龍泉寺開山となった。寛永九年(一六三二)大巌寺六世典誉文超の没するにおよび同寺に帰住。世寿七九歳。著作は『選択集直談鈔』など多数。


【資料】『鎮流祖伝』六(浄全一七)、『略伝集』(浄全一八)、『浄源脈譜』(浄全一九)、『生実大巌寺志』『結城弘経寺志』(共に浄全二〇)、『浄土宗寺院由緒書』中(『増上寺史料集』六)


【参考】藤堂祐範『浄土教文化史論』(山喜房仏書林、一九七九)、長谷川匡俊『大巌寺史話』(大巌寺文化苑出版部、二〇〇一)


【執筆者:石川達也】