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院派

提供: 新纂浄土宗大辞典

いんぱ/院派

仏師定朝嗣子ししとされる覚助かくじょ(—一〇七七)の弟子院助いんじょ(—一一〇九)より派生した仏師集団。院助以降、名前に「院」の字を冠した仏師が多いことからこの名称が付いた。有力な仏師を多く輩出したことで知られ、活動範囲も院や宮廷・摂関家を中心とした都のみならず鎌倉地方にまで拡張しており、平安・鎌倉時代を通じて繁栄した仏師流派とされる。その勃興期の作例を求めることは困難であるが、後白河上皇の院御所六条殿内御堂であった京都市講堂ちょうこうどう木造阿弥陀如来及両脇侍像(国重要文化財)は、院派仏師作と有力視される仏像の一つ。


【参考】田中嗣人『日本古代仏師の研究』(吉川弘文館、一九八三)、伊東史朗『平安時代後期の彫刻 信仰と美の調和』(『日本の美術』四五八、至文堂、二〇〇四)


【執筆者:藤田直信】