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闢邪管見録

提供: 新纂浄土宗大辞典

へきじゃかんけんろく/闢邪管見録

二巻。養鸕うがい徹定てつじょう輯。文久元年(一八六一)刊。杞憂道人の名で集録している。「びゃくじゃかんけんろく」と呼称する場合もある。既成仏教教団宗門の護持護法を堅持するためにキリスト教を排斥しようとする代表的な動きの現れであり、東照神君布告文以下、中国の対耶蘇やそ教関係の文献を論拠として他教を邪教として扱い、闢邪の管見を述べたもの。明治維新による檀家制度の変革、信教の自由廃仏毀釈は、従来の幕府政治に庇護されてきた当時の仏教界にとって大きな衝撃であり、ことにキリスト教の流入、布教攻勢に対して作成された。徹定は本書に続いて、『天学初微』『天学再微』『天学初闢』などの中国における対耶蘇教関係の言論を蒐集して明治七年(一八七四)に『闢邪集』二巻を翻刻している。


【執筆者:伊藤弘道】