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長香寺

提供: 新纂浄土宗大辞典

ちょうこうじ/長香寺

京都市下京区高倉通松原下ル。常照山。京都教区№一一一。慶長一一年(一六〇六)徳川家康の側女おこちゃが信誉称阿を請じて開創。京都大工頭の中井正清が造営を助け、以来中井家の菩提寺となった。享保一一年(一七二六)徳川吉宗の外祖父(巨勢利清)の墓所という縁により、幕府より祀堂金五〇〇両を下賜される。塔頭たっちゅうに二院を有し、寺運隆盛であったが、天明八年(一七八八)の大火、元治元年(一八六四)の兵火に相次いで類焼し、寺勢がやや衰えた。什物に絹本著色観経十六観変相図一幅(国重要文化財)がある。


【資料】『蓮門精舎旧詞』(続浄一八)、『浄土宗寺院由緒書』上(『増上寺史料集』五)


【参考】水野恭一郎・中井真孝『京都浄土宗寺院文書』(同朋舎出版、一九八〇)


【執筆者:中井真孝】