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選択口筆

提供: 新纂浄土宗大辞典

せんちゃくくひつ/選択口筆

一巻。良山妙観記。述作年代は不明であるが、末尾に「永禄九年(一五六六)四月十日申剋畢」の良智の署名がある。本書は『選択集』の注釈書で、名越派伝書の一つ。『選択集』の要項を筆記し、問答によって聖道門に対して浄土門がいかにすぐれているか、また諸行に対して念仏のすぐれた点を力説したもの。大別すれば「聖道浄土二門口筆」と「念仏本願口筆」の二つになる。両段の間には妙観奥書が入っている。それによれば「聖道浄土二門口筆」は妙観が三二歳の正中二年(一三二五)三月一三日、善光寺南大門談義所において記したものである。「念仏本願口筆」には奥書がなく、おそらく後に両段を合わせたものと考えられる。


【所収】続浄一〇


【参照項目】➡妙観


【執筆者:原口弘之】