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讃一枚起請

提供: 新纂浄土宗大辞典

さんいちまいきしょう/讃一枚起請

嵯峨天龍寺桂洲作の五言絶句。忍澂の『吉水遺誓諺論附録正流弁』によると、桂洲に『一枚起請文』を讃ずる偈があるとして、「誰かう一枚紙と、中に含む大蔵経、天外に出頭する者、始めて斯の語の馨りを知らん」(浄全九・六一上)という偈文があったことを伝えている。『附録正流弁』を再版した隆円はこの文を示したあと、「今謂わく、第三句未だ蒲団上の習気じっけを免れず、惜むべし」(浄全九・六一上)と評釈を加えている。この偈文は法然の『一枚起請文』に対する禅宗の見方と、浄土宗の見方の相違を非常によく対照的に示している。


【執筆者:今井英之】