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覆講

提供: 新纂浄土宗大辞典

ふくこう/覆講

師の説法弟子が繰り返し講ずること。「覆」は繰り返し・反覆(反復)の意。『法華経』化城喩品第七に説かれる十六王子の説法正蔵九・二五中)について、智顗は『法華文句』七下において「十六は後に於て解せざる者の為に覆講して経を説くなり」(正蔵三四・九九下)といい、仏が説法を終えて禅定に入った後、十六王子が信受不解の者に対して行った説法を「覆講」あるいは「覆説」としている。『観経』の耆闍会ぎじゃえで「阿難、広く大衆の為に、上のごとき事を説く」(聖典一・三一四/浄全一・五一)とあるのも覆講といえる。


【資料】智顗『法華文句』二下、七下、八上、九下(正蔵三四)、『法華玄義』六下(正蔵三三)


【執筆者:三輪隆就】