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華開得益

提供: 新纂浄土宗大辞典

けかいとくやく/華開得益

極楽浄土往生した念仏行者が、蓮華が開いて後に得られる利益のこと。『観経』には九品が説かれるが、善導は『観経疏散善義において九品各々に一一門にわたる相違があると指摘。これは「一百番義」と称されるが、その第一一門が「華開已後の得益に異有ることを明かす」(聖典二・三一四/浄全二・六七上)というもので、上品上生の人が仏の色身を見るなどして無生法忍を得ること以下、下品下生の人が十二大劫を経て菩提の心を発すことまで九通りの得益があるとしている。得益には差異があるが、良忠は『散善義略鈔』一において「所詮浄土は不退が故に皆仏果に至る是なり」(浄全二・五七六下)とそれらを集約した。


【参考】坪井俊映『浄土三部経概説新訂版』(法蔵館、一九九六)


【参照項目】➡一百番義十一門義華開遅速


【執筆者:袖山榮輝】