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苦海

提供: 新纂浄土宗大辞典

くかい/苦海

凡夫が未だ解脱することなく、生死の苦を繰り返す三界六道を海に喩えた語。Ⓢduḥkha-samudraⓈduḥkha-sāgara等が原語。『金光明最勝王経』には「三界苦海の諸衆生」(正蔵一六・四五二上)という表現があり、三界苦海としてとらえている。善導は『般舟讃』で浄土の教えに接しない凡夫について「曠劫よりこのかた苦海に沈みて、西方の要法いまだかつて聞かず」(浄全四・五三一下)と述べている。


【執筆者:粂原恒久】