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経道滅尽

提供: 新纂浄土宗大辞典

きょうどうめつじん/経道滅尽

仏教の終焉を意味する語。『無量寿経』下の流通分に「当来の世、経道滅尽せんに、我れ慈悲をもって哀愍して、ひとりこの経を留めて、止住すること百歳ならん」(聖典一・二八五/浄全一・三六)とあり、善導の『往生礼讃』に「万年に三宝滅すれども此の経住すること百年ならん」(浄全四・三六二下)と釈され、末法万年の未来の世に仏教が滅びてしまうという末法思想を表す。法滅三宝滅尽に同じ。法然は『選択集』六でこの語について、浄土門に対して聖道門の教えが先に滅すること、西方浄土往生に対して十方浄土往生の教えが先に滅すること、西方往生に対して兜率上生の教えが先に滅すること、念仏往生に対して諸行往生の教えが先に滅することにあてはめて用いている。法然は、『無量寿経』の止住百歳とは、念仏の止住であると解している。


【参照項目】➡末法


【執筆者:袖山榮輝】