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素絹

提供: 新纂浄土宗大辞典

そけん/素絹

練らない生糸で作った、粗悪な絹のこと。また素絹衣の略で、法衣の一つ。素絹は、練絹に対する語であり、素絹で作った衣を素絹衣とよぶ。元来、素絹衣は白色で無紋の略式の衣であるが、現在では諸種の色があり、天台宗真言宗では一般的な法衣として用いられている。素絹衣の袖は道具衣と同様に広いが、裾のひだが左右と背後にまとめて付けられている点は、道具衣とは異なる。また胴を石帯で結んで着用することも素絹衣の特徴的な点である。素絹衣には等身半素絹と一身半の長素絹があるが、浄土宗では共に荘厳服とされている。


【参考】井筒雅風『袈裟史』(雄山閣出版、一九七四)


【参照項目】➡石帯半素絹長素絹


【執筆者:石田一裕】