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竹田聴洲

提供: 新纂浄土宗大辞典

たけだちょうしゅう/竹田聴洲

大正五年(一九一六)一月二九日—昭和五五年(一九八〇)九月六日。大蓮社雄誉文阿葩実。大阪市内の浄土宗妙香院に生まれる。旧制第四高等学校(金沢)卒業の年に浄土宗僧籍編入のため聴洲と改名。東京帝国大学宗教学科に入学するが、学風になじめず一年で退学、京都帝国大学国史学科に再入学する。そこで西田直二郎・柳田国男・原田敏明などから強い影響を受け、以後宗教民俗学の道を歩むことになる。戦後、京都府亀岡市の浄土宗無量寺住職となり、そこを拠点として、イエと祖先信仰、村落祭祀と同族、葬墓制などの調査・研究に邁進。代表的著作である『民俗仏教と祖先信仰』(東京大学出版会、一九七一)では、民俗資料に加えて近世初期の浄土宗末寺の由緒記録である『蓮門精舎旧詞』を基礎資料とし、民間寺院の成立過程、および村落における寺・墓・祖先信仰の史的関連性に関する斬新な学説を提示している。他にも常民論を中心とした民俗学理論の研究や祇園祭などの都市民俗研究など、その研究対象はきわめて多岐に及んでいる。


【参考】竹田聴洲『竹田聴洲著作集』全九巻(国書刊行会、一九九三~一九九七)


【執筆者:八木透】