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甄叔迦宝

提供: 新纂浄土宗大辞典

けんじゅくがほう/甄叔迦宝

宝石の名称。赤色の宝石で、赤瑠璃に似ているとされる。甄叔迦(Ⓢkiṃśuka)は樹木の名称で、この宝石はその木に咲く花の色に似ているから甄叔迦宝と呼ばれる。『観経』の第七華座観は、ダイヤモンド(金剛)や甄叔迦宝をはじめとする宝石が阿弥陀仏や観音・勢至が住する蓮華台座を装飾していると説き(聖典一・二九七/浄全一・四二)、また『法華経』には甄叔迦宝台座とする蓮華が説かれており(正蔵九・五五中)、この宝石が蓮華と関わり深いものであることがうかがわれる。


【執筆者:石田一裕】