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独湛筆の御影

提供: 新纂浄土宗大辞典

どくたんひつのみえい/独湛筆の御影

岩座に草を敷いて端座し念珠を繰る法然を描いた御影金戒光明寺蔵。独湛は中国福建省の人で、承応三年(一六五四)隠元について来日し、天和二年(一六八二)に黄檗おうばく四世の席を継いだ。彼は中国禅宗禅浄双修の立場から次第浄土宗に近づき、特に「当麻曼陀羅」を拝して感激し、以後、性愚義山忍澂らの浄土宗の僧と親交を深め、善導法然に傾倒していった。伝記によれば、日々に『阿弥陀経』を読むこと四八遍、仏を礼すること三〇〇礼から五〇〇礼、常に名号を持してやまず「念仏独湛」と称された。彼はまた書画にも秀で「二祖対面図」も描いている。


【参考】田中実マルコス『黄檗禅と浄土教—万福寺第四祖独湛の思想と行動』(法蔵館、二〇一四)【図版】巻末付録


【参照項目】➡法然上人御影


【執筆者:成田俊治】