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無他想間雑

提供: 新纂浄土宗大辞典

むたそうけんぞう/無他想間雑

一つのことに想いを集中させ、他の思いを交えないこと。曇鸞往生論註』に「無礙光如来を念じて安楽に生ぜんと願ず。心心相続して他想間雑することなし」(浄全一・二二〇下正蔵四〇・八二七上)とあるように、阿弥陀仏を念じて往生したいと願う心を絶やさずに、少しも他の思いを交えることがないことをいう。また『往生論註』の八番問答において、「若しは総相、若しは別相、観縁する所に随いて心に他想なく、十念相続するを名づけて十念となす。但し名号を称うるも亦またかくの如し」(浄全一・二三六下~七上/正蔵四〇・八三四下)と示されるように、憶念十念と、称名十念において重要視されている。


【執筆者:加藤芳樹】