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火舎

提供: 新纂浄土宗大辞典

かしゃ/火舎

蓋のついた香炉焼香用のすえ香炉(置香炉)の一種。火舎香炉、火炉ともいう。密教法具からきている。主に金銅製で、つば状の広いふちのある三脚付の火炉に、宝珠つまみをもつ甲盛蓋がついたもので、蓋には煙出し用の猪目形や雲形、飛鳥形の穴が施されている。さらに時代が下ると、蓋と火炉の間に輪形のこしきが加わった重層式のものがあらわれる。『四十八巻伝』四四に「三寸の火舎一匝いっそうの香を盛りて、その香の燃え果つるまで合掌して、毎日三時高声に念仏する事久しくなりぬ」(聖典六・六八三)とあり、『翼賛』四四に「火舎は和名抄に火炉をば比多岐ひたきと云へり。火舎火炉同意なり。又云く内典に云く火舎俗に云く化赭かしゃ」(浄全一六・六三二下)とある。


【執筆者:太田正敬】