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浄土法語

提供: 新纂浄土宗大辞典

じょうどほうご/浄土法語

一巻。明・伝灯述、正知編。成立年次不詳。天台の唯心浄土・自性弥陀の旨に基づき、極楽への往生を勧めるもの。生死輪廻を超える法門として自力・他力・本有功徳力によるものがある中、最も速く、かつ簡易な法門は、自力他力念仏によって極楽往生を願う浄土法門であるとする。往生のためには、娑婆恩愛を捨てて、極楽一心に念ずるべきであるとし、その際、具体的には信・行・願が必要であり、信を具足するにはすべての大乗経論と浄土門の典籍を研鑽すべきであるとしている。行には正・助の二行があり、正行は『阿弥陀経』説示の称名と『観経』説示の観想念仏であるとし、助行は世間の善行と不殺生などの戒行を以て西方回向するという世間の行と、六度万行などを西方回向するという出世間の行とする。


【所収】『浄土十要』九、『浄土津梁』七(共に続蔵六一)


【執筆者:肖越】